箱根駅伝のルールとは?
公開日:
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最終更新日:2016/03/07
スポーツ
箱根駅伝にはどんなルールがあるの?
毎年行われお正月の風物詩となっている箱根駅伝ですが、各選手のエントリー時期や人数、コースごとの違いや優勝の種類、繰り上げスタートの決まりなど、正式なルールについてまとめてみました。箱根駅伝本大会のルールに基づく、各校の戦略なども垣間見ることができます。

箱根駅伝の公式ルール
箱根駅伝のルールは次のようになっています。12月上旬に行われる「チームエントリー」で、1チーム16人を上限としてエントリーします。
何区にどの選手が走るかどうかの申告はこの時点では必要ありません。
12月下旬に「全区間エントリー」が行われ、区間ごとの選手をエントリーします。
ここでどの選手が何区を走るのかを申告します。全10区間の10選手をエントリーし、6名を補欠として登録できます。補欠選手は、本大会当日どの区間の選手とも交替でき、出場可能です。
この時点で、本命の選手を補欠登録とし、当日に補欠選手と入れ替える戦術がよく用いられます。
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箱根駅伝本大会は、毎年1月2日、3日の2日間にわたって行われます。
コースは、東京・大手町の読売新聞東京本社前がスタートです。
箱根・芦ノ湖駐車場入口で折り返し、再び東京・大手町の読売新聞東京本社前へ戻りゴールとなります。
1日目が往路、2日目が復路となります。
往路は全5区間で107.5km、復路も全5区間で109.6kmです。往復で総距離は217.1kmあります。
区間は、往路5区・復路5区の計10区で構成されます。往路と復路の距離に違いがありますが、その理由は1区と10区のコースが違うためです。
中継所は、往路・復路とも同じで、鶴見・戸塚・平塚・小田原の4か所です。
往路の1区と復路の6区には給水所がありません。
1区~10区は全て違う選手が走る決まりになっています。
出走メンバーは事前に提出が必要です(ただし、補欠の選手と交替することが認められています)。
前回大会で10位以内に入った10チームは、シード権獲得校として予選会には参加せずに本大会に出場できます。
前回大会で10位以内に入れなかったチームは、予選会で上位10位以内に入れば予選会通過校として上位10チームのみ本大会へ参加可能となります。
シード権獲得校10チーム、予選会通過校10チーム、関東学生連合チーム(予選会を通過できなかったチームの中から成績がよかった選手が選ばれ構成されます)、計21チームが参加します。
優勝は3種類で、「往路優勝」「復路優勝」「総合優勝」の3つがあります。
1日目の往路で「往路優勝」が決定されます。
※往路で棄権チームがあった場合、復路はオープン参加となります。
復路のスタートは、往路のゴールタイムで生じた時間差スタートとなります。
1日目の往路のゴールタイムに、トップとの差が10分以上ある場合一斉スタート(繰り上げスタート)となります。
一斉スタートした選手の実際のタイムは、ゴール後にそれぞれ計算されます。
復路のトップ選手がゴールした時点で、「総合優勝」が決まります。
「復路優勝」は全チームのゴール後に、一斉スタートとの誤差を計算し、そのタイムによって決定されます。
10位以内に入ったチームに翌年のシード権が与えられます(次回大会の予選会への参加は不要となります)。
優勝争いが決まった後は各校が10位以内に入るためのシード権争いが待っています。
そして1位のチームがゴールしたあと、無事にゴールまでたすきがつながるかどうか、という各チームにとってとても重要な戦いが待っています。
各中継所で、往路はトップ選手通過から20分(鶴見と戸塚のみ10分後)、復路は20分後に号砲が打たれ次の選手が繰り上げスタートを切ります。この際、前の選手の到着を待つことなくスタートとなります。
繰り上げスタートなった場合、たすきがつながらないため、チームとしては棄権扱いになります。
オープン参加となるため、ゴールまで走ることは可能ですが、優勝・シード権争いとは関係がなくなります。
繰り上げスタートとなった場合、チームのたすきではなく、大会本部が用意した黄色と白色のたすきを使うことになります。
▼2015年1月3日の箱根駅伝本大会往路の様子がこちらからご覧になれます。
箱根駅伝2015復路10区
箱根駅伝、ルールのまとめ
ルールを詳しく見れば見るほど、各校がどのような戦術で本大会に臨んでくる傾向があるのかが見えてきます。エントリーには16名の選手が登録できますが、当日の体調不良などを考慮するものだけではないのです。選手を補欠登録し、当日のコンディションにあわせて交替ができるのはもちろんなのですが、補欠に本来走る予定の選手を登録するチームもあるなど、ある意味各校の心理戦も繰りひろげられているのです。
箱根駅伝本大会は選手が一般道路を走る都合上、道路を一定時間閉鎖しなければなりません。
閉鎖時間の制限があるため、すべての選手がたすきをつなぐまで待つことができず、各中継地点で繰り上げスタートが切られます。各中継地点での繰り上げスタートは、スタートした選手からつないできた各チームのたすきをゴールまでつなぐことができなくなるというチームにとってとても悔しいものです。
優勝・シード権争いも激しい戦いが繰りひろげられますが、「たすきをスタートからゴールまでつなぐ」という駅伝にとって一番の目的が果たせずに、繰り上げスタートを余儀なくされるのは本当に悔しい事です。たすきがつなげられなくなり、前の区間の選手の到着を待たずに涙の繰り上げスタートを切るチームもあります。区間によってはたすきを繋ごうと必死で走っている選手が見えているにもかかわらず、時間制限のルールのために繰り上げスタートを切らざるを得なかったチームも過去にあります。
箱根駅伝は、全ての選手が本気で優勝を狙い力走します。そして優勝が決まった後はシード権争いが待っています。シード権は翌年の大会出場につながる大事な権利なので、10位以内に入れるかどうか、各校の白熱した順位争いが繰りひろげられます。
往路・復路・総合優勝やシード権争いからも目が離せませんが、「チームのたすきをゴールまで届ける」という駅伝本来の目標を、本大会では全チームが達成できることを祈りたいですね。
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