腸重責って?赤ちゃんが重症化しないための知識
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最終更新日:2016/05/18
病気
腸重積とは腸の中に腸の一部がもぐり込み重なり合ってしまう病気です。
主に2歳以下、生後3カ月から1歳までの乳児に起こりやすく、女児より男児の方が2倍ほど多く発病しているという報告があるようです。
治療が遅れれば、腸が壊死してしまうなど緊急を要する病気なので詳しくご紹介いたします。

▼腸重積ってどんな病気?
主に小腸の末端である回腸が大腸の末端の結腸部分にもぐり込むために発病します。もぐり込んだ腸は締め付けられて血液が流れなくなり、放っておくと壊死してしまいます。
発病から24時間以内のケアでほとんどが治ります。
治療が遅れると腸管が破れて腹膜炎を起こし命に関わることがあるため早期に発見して治療することが必要です。
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▼主な原因とは?
まだ原因はよくわかっていませんが、ウイルスに感染して風邪をひいて下痢をしたりすると腸管の壁にあるリンパ節が腫れて動かなくなることで発病するともいわれています。また、小腸にポリープがあったり、生まれつき腸管の一部がメッケル憩室である場合などもこれらの部分から腸重積が起こることもあるようです。
▼どんな症状がでるの?
それまで元気だった赤ちゃんが急に激しく泣き出したり、おさまったりを10〜30分おきにくり返します。お腹を痛がり、顔色が青白くなり吐くことも。
イチゴジャムのような血便が出ることもありますが、医療機関で浣腸をするまで出ないこともあるため“いつもと様子が違う泣き方・お腹の痛がり方”をしている場合は早急に受診しましょう。

▼主な治療と対処方法とは?
腸重積の症状がみられる場合は大至急の受診を。診断では、お腹を触ってしこりがあるか確認する他、超音波検査やレントゲン、腹部CTやMRIを使用することも。
発病して24時間以内ならば、浣腸剤や空気を肛門から高圧浣腸(注腸整復)で入れることで、もぐり込んだ腸を元に戻します。
処置後の経過をみて、腸が再びもぐり込むことがなければ大丈夫です。
発病後24時間を過ぎていて、腸が壊死していた場合はその部分を切除して健康な腸と腸をつなぎあわせる手術をします。

▼予防対策はあるの?
腸重積をくり返す場合、腸にポリープなどができており他の病気が隠れていることも。この場合は手術で病変部を切除する必要があります。
また中には、高圧浣腸で治らない場合もあり数回の手術が必要になることも。
予防対策としては、日頃からしっかり体調管理を行い、幼い子どもは症状を上手く伝えられないので、機嫌が悪い・泣き止まないなど不調のサインや体調の異変を見逃さないことが大切です。
もしもの時にはすぐに受診できるよう、信頼できるかかりつけ医をみつけておくことや救急医療機関を調べてメモしておくと安心ですね。
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